Nanoha SS vol.2-2
〜02 プレゼント・後編〜
厨房ををザフィーラに任せて隊舎を出たはやてたち3人は、ある目的のためクラナガンまで来ていた。
――ヴィヴィオに似合うものが見つけられればええなぁ。
はやては、ヴィヴィオやなのはたちの笑顔を思い浮かべていた。
ヴィヴィオが作ったキャラメルミルクをただ出すだけではなく、"可愛い服を着てキャラメルミルクを運んできたら2人を驚かせられるに違いない。
というのが、はやての考えた悪戯である。
モチロン、ヴィヴィオに似合う服の心当たりがあってのことなのだが。
――ヴィヴィオはどんな服を選ぶんやろか。
*** ***
「かわいいお洋服がいっぱいなのです〜♪」
やってきたのは、クラシックな服を子供用も真剣に扱ってる洋品店。
ブラウスやジャンパースカートは言うに及ばず、フリルのおしゃれなワンピースから、ちょっとクラシックなメイド服を思わせるものなど、品揃え豊富。
家族の服選びにも利用する事がある、はやてお気に入りのお店だった。
久しぶりの来店でリィンははしゃいでいるが、さすがに彼女が着れるサイズの服は置いてない。
――前の注文から随分たつし、また気になるデザインを聞いて注文しなあかんなぁ。
そんな事を考えながらはやては、今日の主役――ヴィヴィオの様子を伺う。
この店を選んだのは、ヴィヴィオがなのはママたちにと作っていたキャラメルミルクから連想しての事。
――やっぱり、飲み物運んでくるならメイドさんやんなぁ。ヴィヴィオならシンプルなエプロンドレスとかも似合いそうやからなぁ。
ヴィヴィオはもの珍しいそうに――というか珍しいのだろう。
あちこちと動き回っては、いろんな服を見ているようだ。
「あ…………。ふぁ――――あははっ」
面白いものを見るたびに反応するヴィヴィオ。
その声や表情からは、喜んでいることが見て取れる。
――もしかすると、初めて見る服の量にあわててるんかなぁ。
何にせよ、服を見てはしゃぐヴィヴィオを見ていると――。
はやてまで心が温かくなりそうだった。
なのははフォワードメンバーの訓練プログラムに忙しいし、フェイトはフェイトでJS事件の事後処理指揮に追われている。
コトが片付いたとはいえ、2人がヴィヴィオとゆっくりふれ合えるのももうしばらくは先ということなのか――。
つい、ため息といっしょになって――独り言がもれてしまう。
「……ふぅ。ヴィヴィオやかて、ママたちといきたいやんなぁ」
フイに――はやてはヴィヴィオの舌ったらずな声で呼ばれる。
「はやてセンセーっ」
気がつくと、ヴィヴィオは随分先に行ってしまっていた。
はやては呼びかけに応えてヴィヴィオのところへ急ぐ。
"センセイ"というのは、さっき厨房に居たときにはやてが教えた呼び方だ。
どうにも"センセー"と舌ったらずな呼び方になってしまうが、それはそれで可愛いと思う。
――なのはちゃんやフェイトちゃんも"ママ"と呼ばれてるんやし、コレくらいはええよな。
*** ***
「ヴィヴィオ〜。今度はコレ着てみよかー」
――――。
はやてはついてきてるはずのヴィヴィオに声をかけてみたが、返事がない。
「…………」
振り返ってみると――ヴィヴィオは何かを見上げるように立ち尽くしていた。
そこに飾ってあるだろう"何か"の服を見つめているのだろうが、ここからでは商品棚が邪魔で"何か"はよく見えない。
そっとヴィヴィオに近づいていくはやて。
ヴィヴィオは、はやてが隣に立ったことも気付かないままジッと服を見上げていた。
――よっぽど気になるんやなぁ。まぁ、"この服"やったらわからんでもないか。懐かしい色やなぁ。
その服は、今の季節には珍しい色ではあったが、はやてにはどことなくピッタリとくるものがあった。
はやてはしばらく考えるそぶりをしたかと思うと、――ヴィヴィオに声を掛けた。
「ヴィ〜ヴィ〜オっ」
「あ……はやてせんせ――」
はやてには驚かせるつもりはなかったのだが、突然の声にヴィヴィオは――。
「――あぅっ」
――尻餅をついてしまった。
「ヴィヴィオはあぶなっかしぃな〜。気ぃつけなあかんよ?」
はやては、そういいながら手を――。
「んしょ…………っと」
――差し出すもなく、ヴィヴィオは1人で立ち上がった。
なのはママの教育の賜物やな――。
はやては、ヴィヴィオの成長を思うと笑顔がこぼれた。
「強いんやな……ヴィヴィオ」
「ヴィヴィオがママを守るって決めたんだもん……もっと強くならなきゃ」
返ってきた言葉を、意外に思えない自分に驚いて――。
今度は、笑いがこぼれた。
「そ〜かぁ。ヴィヴィオは強くなりたいんか。ちゃんと強くなったら……、ママたちを守ってあげたってな」
そういいながらはやては――自然とヴィヴィオを抱きついていた。
いつか――ヴィヴィオもなのはちゃんみたいに強くなってくんやろか。
魔法特性はベルカ式やろから……あたしがヴィヴィオの先輩ってことになるんかな。
なのはちゃんたちを守れるほど強く――か。
私もヴィヴィオに負けへんよう……強くなろう。
そこまで考えて、何気なくヴィヴィオと目を合わせたはやては――ふと気付いたことがあった。
アレ? でもヴィヴィオに流れてる血は――私より昔のものなんよね??
ってことはヴィヴィオは私の大先輩ってことになるんとちゃうやろか???
――――ん〜。
「はやてセンセー? だいじょうぶ??」
いつまでも反応のないはやてが心配になったのか、ヴィヴィオが呼びかけてきた。
「あぁ……ごめんな〜ヴィヴィオ。なんでもないよ。このお洋服気に入ったみたいやし、ママたちに着てみせるんはこれにしよか?」
「ぇ……いいの……かな??」
「かまへんよ〜。ヴィヴィオが着たい服を着るのが一番なんやから」
余り着たことがない服に遠慮したんかな――。
はやてとしては、ヴィヴィオが着るのが一番似合うだろうと思っている。
何より――はやて自身今から、なのはやフェイトがどんな表情をするのか想像したくなる服だった。
「ぉ……お願いします。はやてセンセー」
「よろしい♪」
――やっぱり、たまにはうちの子以外の服も見に来るもんやなぁ。反応が新鮮で初々しくて……ってあかんアカン。
ちょっとアブない想像をしそうになった所で、はやては考えを切り替えることにした。
「すいませーん。コレ、お願いします」
*** ***
「それじゃ――始めよか。さっき教えた手順を確認しながら作ってこうか。ゆっくりで大丈夫だから。」
「はいっ、はやてセンセー」
まずはキャラメルソース。
生クリーム、グラニュー糖、水。
「水は大さじ1で大丈夫やで。カップ2分の1のグラニュー糖にたらしておこうな」
「は〜い、わかりました」
「次はそれを電子レンジで3〜4分や。でも、要注意なトコでもあるんよ」
「注意って……どんなこと?」
「3〜4分言うてもな、機材や器で変わってしまうから――お砂糖から煙が出たかな〜って位で止めるのがコツなんや」
「ふわ〜。気をつけるっ、はやてセンセー」
――ブー……ン――
ヴィヴィオは――レンジの中でオレンジ色に照らされた容器をジ〜ッっと見つめている。
――えーかんじやね。実は、あぁやってガラス容器を使うのも、上手くやるコツなんやけど――それを教えるんはまた今度かな。
やがてお砂糖が良い具合に色が変わって暫くすると。
チーン……
「はやてセンセー。できた〜」
「ん〜、上手にでけたな〜。そしたら――少しずつ生クリームを混ぜてこうか。コレ使えばええから」
「うんっ」
ヴィヴィオに電動ミキサーを渡してやる。
最初やるうちからコレを使ってなかったのは驚いたモノだった。
「生クリームは少しずつ加えていこうな」
生クリームのボウルを支えながら、量を調節してやる。
――これくらいはええよな。
1カップ分が綺麗に混ざった所で、ボウルも丁度空になった。
「ここでワンポイントの一手間や。茶漉しでソースを漉そうな」
――こうしてできあがったソースは、綺麗なキャラメル色をしていた。
「センセ、センセっ。スッゴクおいしそう〜」
「上手にできました〜〜」
「うんっ!!」
「そしたらコレを少しミルクに足して、レンジでチンしたらキャラメルミルクの出来上がりや」
「は〜い」
ミルクの準備をするヴィヴィオの横で……。
――翠屋特製キャラメルミルクの隠し味〜っと。
私が教えてしもたら、なのはちゃんがつまらんやろからな〜。ママに教えてもらってな。
そんなことを心でつぶやきながら、ミルクのカップにこっそり手を加えるはやて。
「ヴィヴィオ、コレ出来上がったら、服着ような〜。そろそろママたち戻ってくるで」
「は〜い。わかりましたっ、はやてセンセー」
*** ***
「今日もお疲れ様、フェイトちゃん」
「なのはが手伝ってくれたから、進みもはやかったよ。ありがとう」
「どういたしまして」
本局から戻った2人は、仕事が一区切りついた安心感から随分とリラックスしているようだ。
はやては、イタズラ心を押さえながらそんな2人に声をかける。
――楽しんでもらうんはこれからや。
「2人ともお疲れ様やったな。結構時間かかってしもたみたいやし私も手伝えたらよかったんやけどなぁ」
「そんなの気にすることないよ、はやて」
「そうだよはやてちゃん。はやてちゃんにははやてちゃんの仕事があったんだから――」
「そか、ありがとな2人とも。――あ、そうそう。ヴィヴィオが部屋で待ってたみたいやから行ったげてな」
「は〜い。ありがと、はやてちゃん」
「ありがとう。はやて」
「なのはママ、フェイトママ――お帰りなさい」

――――。
「「ヴィ……ヴィヴィオ!?」」
――ヴィヴィオはなんであんな格好をしてるんだろう。
――ヴィヴィオはなんであんな服を着てるの??
なのはもフェイトも――目の前の光景に混乱していた。
ヴィヴィオは――。
フリルのついたワンピースにエプロンドレスをつけた――メイドさんの格好をしていた。
「ママたちに……コレ。――ヴィヴィオが作ったの」
ヴィヴィオはつぶやくようにそう言うと――。
伏せぎみの顔を耳まで真っ赤にしながら――おずおずとカップを載せたトレーを差し出してきた。
なのははその香りに覚えがあった。
コレ、もしかして――。
「キャラメルミルク……?」
なのはのつぶやきに、ヴィヴィオはあわてたように首を縦にふって答える。
なのはとフェイトはそれぞれにカップを手にとって一口――。
「……おいしい!!」
「ウチの味だよ、コレっ!」
「ふぁ……」
ママたちの反応にようやく安心したのだろう。
ヴィヴィオはそれまでと一転して、満面の笑顔になっていた。
「凄いね〜。ヴィヴィオ、こんなのも作れるようになったんだ」
なのはは、ヴィヴィオを抱きしめようと近づいて――。
ヴィヴィオの服の色が――意外な色であることに気付く。
「フェイトちゃん、この服――桜色だよっ」
「え……あ」
フェイトもなのはの言葉で気付いたらしい。
桜色――第97管理外世界、なのはたちの元の世界の春の花の色。
そして、なのは自身の魔法色でもあった。
改めてヴィヴィオを見てみれば、桜の意匠が襟やエプロン自体にもあしらわれている。
――今の今まで気付かなかったなんて。よっぽど疲れてたのかな。
ヴィヴィオのキャラメルミルクのおかげで――随分と久しぶりに落ち着いた気がする。
フェイトちゃんもそうなのかな――。
ふと、なのはがフェイトの顔をのぞくと。
フェイトは何か考えているようだ。
「ねぇ、なのは――」
「どうしたの?フェイトちゃん」
「私たち、はやてちゃんにやられちゃったね」
そう言ったフェイトちゃんの笑顔は――。
久しぶりに見た気がした。
「またやられちゃったか〜。でも……たまにはイイかな」
「こんなのだったら――ね」
2人で困り顔をつき合わせてのやりとり。
こんなのも久しぶりかな――。
「どうしたの? なのはママ、フェイトママ」
ヴィヴィオが不思議そうに聞いてきたから――。
心を込めて。
「「ありがとうね、ヴィヴィオ」」
(END)
=== ===
(あとがき)
管理人兼雑文書き屋のあさひです。
「鷹斗さん ありがとうございました」
どうにか局ラジ中にUP出来たのもひとえに鷹斗さんの投下燃料のおかげです。
というわけで、鷹斗さんの所には下書きもありますので是非是非見てみてくださいませませ。
途中、ヴィヴィオが可愛い動きをしてくれたので、執筆予定が変更になりましたww
だから遅れたとは言いません。
雑文書き屋として満足するまで書くことが出来ました。
さて。
ヴィヴィオの予定外行動はどれでしょうwwww
感想共々いただければ幸いですー。
P.S.
お料理シーンの工程そのままでキャラメルミルク作れます。
こだわってみましたwww
P.S.2.
実は後日談も用意してあるので機会があれば載せようとおもいます。
2008/4/6 3:22 表現上のミス修正。
クリューゲルさんありがとうございましたm(_ _)m
厨房ををザフィーラに任せて隊舎を出たはやてたち3人は、ある目的のためクラナガンまで来ていた。
――ヴィヴィオに似合うものが見つけられればええなぁ。
はやては、ヴィヴィオやなのはたちの笑顔を思い浮かべていた。
ヴィヴィオが作ったキャラメルミルクをただ出すだけではなく、"可愛い服を着てキャラメルミルクを運んできたら2人を驚かせられるに違いない。
というのが、はやての考えた悪戯である。
モチロン、ヴィヴィオに似合う服の心当たりがあってのことなのだが。
――ヴィヴィオはどんな服を選ぶんやろか。
*** ***
「かわいいお洋服がいっぱいなのです〜♪」
やってきたのは、クラシックな服を子供用も真剣に扱ってる洋品店。
ブラウスやジャンパースカートは言うに及ばず、フリルのおしゃれなワンピースから、ちょっとクラシックなメイド服を思わせるものなど、品揃え豊富。
家族の服選びにも利用する事がある、はやてお気に入りのお店だった。
久しぶりの来店でリィンははしゃいでいるが、さすがに彼女が着れるサイズの服は置いてない。
――前の注文から随分たつし、また気になるデザインを聞いて注文しなあかんなぁ。
そんな事を考えながらはやては、今日の主役――ヴィヴィオの様子を伺う。
この店を選んだのは、ヴィヴィオがなのはママたちにと作っていたキャラメルミルクから連想しての事。
――やっぱり、飲み物運んでくるならメイドさんやんなぁ。ヴィヴィオならシンプルなエプロンドレスとかも似合いそうやからなぁ。
ヴィヴィオはもの珍しいそうに――というか珍しいのだろう。
あちこちと動き回っては、いろんな服を見ているようだ。
「あ…………。ふぁ――――あははっ」
面白いものを見るたびに反応するヴィヴィオ。
その声や表情からは、喜んでいることが見て取れる。
――もしかすると、初めて見る服の量にあわててるんかなぁ。
何にせよ、服を見てはしゃぐヴィヴィオを見ていると――。
はやてまで心が温かくなりそうだった。
なのははフォワードメンバーの訓練プログラムに忙しいし、フェイトはフェイトでJS事件の事後処理指揮に追われている。
コトが片付いたとはいえ、2人がヴィヴィオとゆっくりふれ合えるのももうしばらくは先ということなのか――。
つい、ため息といっしょになって――独り言がもれてしまう。
「……ふぅ。ヴィヴィオやかて、ママたちといきたいやんなぁ」
フイに――はやてはヴィヴィオの舌ったらずな声で呼ばれる。
「はやてセンセーっ」
気がつくと、ヴィヴィオは随分先に行ってしまっていた。
はやては呼びかけに応えてヴィヴィオのところへ急ぐ。
"センセイ"というのは、さっき厨房に居たときにはやてが教えた呼び方だ。
どうにも"センセー"と舌ったらずな呼び方になってしまうが、それはそれで可愛いと思う。
――なのはちゃんやフェイトちゃんも"ママ"と呼ばれてるんやし、コレくらいはええよな。
*** ***
「ヴィヴィオ〜。今度はコレ着てみよかー」
――――。
はやてはついてきてるはずのヴィヴィオに声をかけてみたが、返事がない。
「…………」
振り返ってみると――ヴィヴィオは何かを見上げるように立ち尽くしていた。
そこに飾ってあるだろう"何か"の服を見つめているのだろうが、ここからでは商品棚が邪魔で"何か"はよく見えない。
そっとヴィヴィオに近づいていくはやて。
ヴィヴィオは、はやてが隣に立ったことも気付かないままジッと服を見上げていた。
――よっぽど気になるんやなぁ。まぁ、"この服"やったらわからんでもないか。懐かしい色やなぁ。
その服は、今の季節には珍しい色ではあったが、はやてにはどことなくピッタリとくるものがあった。
はやてはしばらく考えるそぶりをしたかと思うと、――ヴィヴィオに声を掛けた。
「ヴィ〜ヴィ〜オっ」
「あ……はやてせんせ――」
はやてには驚かせるつもりはなかったのだが、突然の声にヴィヴィオは――。
「――あぅっ」
――尻餅をついてしまった。
「ヴィヴィオはあぶなっかしぃな〜。気ぃつけなあかんよ?」
はやては、そういいながら手を――。
「んしょ…………っと」
――差し出すもなく、ヴィヴィオは1人で立ち上がった。
なのはママの教育の賜物やな――。
はやては、ヴィヴィオの成長を思うと笑顔がこぼれた。
「強いんやな……ヴィヴィオ」
「ヴィヴィオがママを守るって決めたんだもん……もっと強くならなきゃ」
返ってきた言葉を、意外に思えない自分に驚いて――。
今度は、笑いがこぼれた。
「そ〜かぁ。ヴィヴィオは強くなりたいんか。ちゃんと強くなったら……、ママたちを守ってあげたってな」
そういいながらはやては――自然とヴィヴィオを抱きついていた。
いつか――ヴィヴィオもなのはちゃんみたいに強くなってくんやろか。
魔法特性はベルカ式やろから……あたしがヴィヴィオの先輩ってことになるんかな。
なのはちゃんたちを守れるほど強く――か。
私もヴィヴィオに負けへんよう……強くなろう。
そこまで考えて、何気なくヴィヴィオと目を合わせたはやては――ふと気付いたことがあった。
アレ? でもヴィヴィオに流れてる血は――私より昔のものなんよね??
ってことはヴィヴィオは私の大先輩ってことになるんとちゃうやろか???
――――ん〜。
「はやてセンセー? だいじょうぶ??」
いつまでも反応のないはやてが心配になったのか、ヴィヴィオが呼びかけてきた。
「あぁ……ごめんな〜ヴィヴィオ。なんでもないよ。このお洋服気に入ったみたいやし、ママたちに着てみせるんはこれにしよか?」
「ぇ……いいの……かな??」
「かまへんよ〜。ヴィヴィオが着たい服を着るのが一番なんやから」
余り着たことがない服に遠慮したんかな――。
はやてとしては、ヴィヴィオが着るのが一番似合うだろうと思っている。
何より――はやて自身今から、なのはやフェイトがどんな表情をするのか想像したくなる服だった。
「ぉ……お願いします。はやてセンセー」
「よろしい♪」
――やっぱり、たまにはうちの子以外の服も見に来るもんやなぁ。反応が新鮮で初々しくて……ってあかんアカン。
ちょっとアブない想像をしそうになった所で、はやては考えを切り替えることにした。
「すいませーん。コレ、お願いします」
*** ***
「それじゃ――始めよか。さっき教えた手順を確認しながら作ってこうか。ゆっくりで大丈夫だから。」
「はいっ、はやてセンセー」
まずはキャラメルソース。
生クリーム、グラニュー糖、水。
「水は大さじ1で大丈夫やで。カップ2分の1のグラニュー糖にたらしておこうな」
「は〜い、わかりました」
「次はそれを電子レンジで3〜4分や。でも、要注意なトコでもあるんよ」
「注意って……どんなこと?」
「3〜4分言うてもな、機材や器で変わってしまうから――お砂糖から煙が出たかな〜って位で止めるのがコツなんや」
「ふわ〜。気をつけるっ、はやてセンセー」
――ブー……ン――
ヴィヴィオは――レンジの中でオレンジ色に照らされた容器をジ〜ッっと見つめている。
――えーかんじやね。実は、あぁやってガラス容器を使うのも、上手くやるコツなんやけど――それを教えるんはまた今度かな。
やがてお砂糖が良い具合に色が変わって暫くすると。
チーン……
「はやてセンセー。できた〜」
「ん〜、上手にでけたな〜。そしたら――少しずつ生クリームを混ぜてこうか。コレ使えばええから」
「うんっ」
ヴィヴィオに電動ミキサーを渡してやる。
最初やるうちからコレを使ってなかったのは驚いたモノだった。
「生クリームは少しずつ加えていこうな」
生クリームのボウルを支えながら、量を調節してやる。
――これくらいはええよな。
1カップ分が綺麗に混ざった所で、ボウルも丁度空になった。
「ここでワンポイントの一手間や。茶漉しでソースを漉そうな」
――こうしてできあがったソースは、綺麗なキャラメル色をしていた。
「センセ、センセっ。スッゴクおいしそう〜」
「上手にできました〜〜」
「うんっ!!」
「そしたらコレを少しミルクに足して、レンジでチンしたらキャラメルミルクの出来上がりや」
「は〜い」
ミルクの準備をするヴィヴィオの横で……。
――翠屋特製キャラメルミルクの隠し味〜っと。
私が教えてしもたら、なのはちゃんがつまらんやろからな〜。ママに教えてもらってな。
そんなことを心でつぶやきながら、ミルクのカップにこっそり手を加えるはやて。
「ヴィヴィオ、コレ出来上がったら、服着ような〜。そろそろママたち戻ってくるで」
「は〜い。わかりましたっ、はやてセンセー」
*** ***
「今日もお疲れ様、フェイトちゃん」
「なのはが手伝ってくれたから、進みもはやかったよ。ありがとう」
「どういたしまして」
本局から戻った2人は、仕事が一区切りついた安心感から随分とリラックスしているようだ。
はやては、イタズラ心を押さえながらそんな2人に声をかける。
――楽しんでもらうんはこれからや。
「2人ともお疲れ様やったな。結構時間かかってしもたみたいやし私も手伝えたらよかったんやけどなぁ」
「そんなの気にすることないよ、はやて」
「そうだよはやてちゃん。はやてちゃんにははやてちゃんの仕事があったんだから――」
「そか、ありがとな2人とも。――あ、そうそう。ヴィヴィオが部屋で待ってたみたいやから行ったげてな」
「は〜い。ありがと、はやてちゃん」
「ありがとう。はやて」
「なのはママ、フェイトママ――お帰りなさい」

――――。
「「ヴィ……ヴィヴィオ!?」」
――ヴィヴィオはなんであんな格好をしてるんだろう。
――ヴィヴィオはなんであんな服を着てるの??
なのはもフェイトも――目の前の光景に混乱していた。
ヴィヴィオは――。
フリルのついたワンピースにエプロンドレスをつけた――メイドさんの格好をしていた。
「ママたちに……コレ。――ヴィヴィオが作ったの」
ヴィヴィオはつぶやくようにそう言うと――。
伏せぎみの顔を耳まで真っ赤にしながら――おずおずとカップを載せたトレーを差し出してきた。
なのははその香りに覚えがあった。
コレ、もしかして――。
「キャラメルミルク……?」
なのはのつぶやきに、ヴィヴィオはあわてたように首を縦にふって答える。
なのはとフェイトはそれぞれにカップを手にとって一口――。
「……おいしい!!」
「ウチの味だよ、コレっ!」
「ふぁ……」
ママたちの反応にようやく安心したのだろう。
ヴィヴィオはそれまでと一転して、満面の笑顔になっていた。
「凄いね〜。ヴィヴィオ、こんなのも作れるようになったんだ」
なのはは、ヴィヴィオを抱きしめようと近づいて――。
ヴィヴィオの服の色が――意外な色であることに気付く。
「フェイトちゃん、この服――桜色だよっ」
「え……あ」
フェイトもなのはの言葉で気付いたらしい。
桜色――第97管理外世界、なのはたちの元の世界の春の花の色。
そして、なのは自身の魔法色でもあった。
改めてヴィヴィオを見てみれば、桜の意匠が襟やエプロン自体にもあしらわれている。
――今の今まで気付かなかったなんて。よっぽど疲れてたのかな。
ヴィヴィオのキャラメルミルクのおかげで――随分と久しぶりに落ち着いた気がする。
フェイトちゃんもそうなのかな――。
ふと、なのはがフェイトの顔をのぞくと。
フェイトは何か考えているようだ。
「ねぇ、なのは――」
「どうしたの?フェイトちゃん」
「私たち、はやてちゃんにやられちゃったね」
そう言ったフェイトちゃんの笑顔は――。
久しぶりに見た気がした。
「またやられちゃったか〜。でも……たまにはイイかな」
「こんなのだったら――ね」
2人で困り顔をつき合わせてのやりとり。
こんなのも久しぶりかな――。
「どうしたの? なのはママ、フェイトママ」
ヴィヴィオが不思議そうに聞いてきたから――。
心を込めて。
「「ありがとうね、ヴィヴィオ」」
(END)
=== ===
(あとがき)
管理人兼雑文書き屋のあさひです。
「鷹斗さん ありがとうございました」
どうにか局ラジ中にUP出来たのもひとえに鷹斗さんの投下燃料のおかげです。
というわけで、鷹斗さんの所には下書きもありますので是非是非見てみてくださいませませ。
途中、ヴィヴィオが可愛い動きをしてくれたので、執筆予定が変更になりましたww
だから遅れたとは言いません。
雑文書き屋として満足するまで書くことが出来ました。
さて。
ヴィヴィオの予定外行動はどれでしょうwwww
感想共々いただければ幸いですー。
P.S.
お料理シーンの工程そのままでキャラメルミルク作れます。
こだわってみましたwww
P.S.2.
実は後日談も用意してあるので機会があれば載せようとおもいます。
2008/4/6 3:22 表現上のミス修正。
クリューゲルさんありがとうございましたm(_ _)m
comment
ただ一言…ヴィヴィオ可愛いw(もうこの一言につきますw
「今日もお疲れ様、フェイト」
「なのはが手伝ってくれたから、進みもはやかったよ。ありがとう」
「どういたしまして」
のところで、なのはさんがフェイトさんを呼び捨てにしてるのは仕様でしょうか?
さて。某T.Sさんもこんな風にお出迎えしてもらってるんですかねえ(をゐ
私の中のヴィヴィの株が上がりましたw
「なのはが手伝ってくれたから、進みもはやかったよ。ありがとう」
「どういたしまして」
のところで、なのはさんがフェイトさんを呼び捨てにしてるのは仕様でしょうか?
さて。某T.Sさんもこんな風にお出迎えしてもらってるんですかねえ(をゐ
私の中のヴィヴィの株が上がりましたw
ありがとうございますっ><)っ
管理人兼駄文書き屋のあさひです。
もう焦ってたのが丸分かりですねー(^-^;;
というところで返レスですw
うさうさ7さん>
も〜頑張りましたからっ(ぁ
ヴィヴィオって健気だなと読んで改めて思う俺(ぉぃ
Zepharさん>
ご指摘ありがとうございます><
至急訂正いたしました
ヴィヴィの株が上がったのは何よりですね。
そこは個人的には気になる所ですw<某T.Sさんのお出迎え
もう焦ってたのが丸分かりですねー(^-^;;
というところで返レスですw
うさうさ7さん>
も〜頑張りましたからっ(ぁ
ヴィヴィオって健気だなと読んで改めて思う俺(ぉぃ
Zepharさん>
ご指摘ありがとうございます><
至急訂正いたしました
ヴィヴィの株が上がったのは何よりですね。
そこは個人的には気になる所ですw<某T.Sさんのお出迎え
はじめまして
ヴィヴィオ、可愛いですね^^
そして何よりヴィヴィオと行動するはやてせんせーもいい感じです
そして挿絵の破壊力もすごいです
ああ、キャラメルミルクが飲みたくなってきましたw
ヴィヴィオ、可愛いですね^^
そして何よりヴィヴィオと行動するはやてせんせーもいい感じです
そして挿絵の破壊力もすごいです
ああ、キャラメルミルクが飲みたくなってきましたw
お返事直接ブログの方にさせていただきますね
ブログも見て下さってありがとうございます!
いきなりですがリンク追加、私の方もさせていただきたいのですがよろしいでしょうか?
お返事はいつでもいいので・・・
ブログも見て下さってありがとうございます!
いきなりですがリンク追加、私の方もさせていただきたいのですがよろしいでしょうか?
お返事はいつでもいいので・・・
お返事が遅くなりました(^^;;
管理人兼雑文書き屋のあさひです
さちりかさん>
さちりかさん、はじめまして〜
コメント返す前にいきなりそちらのブログにコメントしてしまったあたり、少々焦りが過ぎたようですorz
SSも楽しんで読んでもらえたようで何よりです。
挿絵の破壊力は検証済みなのですよb←リアルで〜になった奴が一名w
リンク追加しましたwww
こちらのリンクについては、こんなので良ければ是非お願いしますm(_ _)m
(1〜2週間に1回くらいの更新ペースになろうかと思いますが;;)
さちりかさん>
さちりかさん、はじめまして〜
コメント返す前にいきなりそちらのブログにコメントしてしまったあたり、少々焦りが過ぎたようですorz
SSも楽しんで読んでもらえたようで何よりです。
挿絵の破壊力は検証済みなのですよb←リアルで〜になった奴が一名w
リンク追加しましたwww
こちらのリンクについては、こんなので良ければ是非お願いしますm(_ _)m
(1〜2週間に1回くらいの更新ペースになろうかと思いますが;;)

